世界は不景気だったが、アメリカは過去最高の自動車販売だった
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引用:http://www.business-i.co.jp/CMSF/uploads/news/upload_3792.jpg


アメリカは30年以上ずっと経常赤字で回復する見込みすらないが、今も経済成長を続けています。

逆に貿易黒字にこだわり続けた日本は、急激な経済縮小を続けています。


2015年はアメリカの年だった


2015年の世界経済はアメリカ以外は全世界不景気だったと言って良かった。

それほどアメリカの景気は良く、各国はアメリカに輸出する事で自国の景気を良くしようと企んだ。

日本の安倍首相もそうで、円安に誘導しアメリカに輸出して不況を解消しようとしたようです。
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だが全世界が一斉に同じ事を考えたので、中国も韓国もドイツも輸出攻勢を掛け、互いに食い合う結果に終わりました。

輸出立国はこのように、「不況を外国に輸出」したり「輸出国同士の共食い」をする事がある。

かつての日本や中国のように一国が突出する時期もあるが、やがて輸出国の競争で体力をすり減らします。


アメリカはこうした輸出国とは全く異なる「輸入大国」で、1980年代からずっと貿易赤字を続けています。

日本人は「外国から輸入した原料を加工して輸出している」と教科書に書いてあったほどで、貿易赤字になると国が破産すると学校で教えられました。

教科書的な思考法で考えると、アメリカは急激に貧しくなっている筈ですが、逆にどんどん豊かになっています。


日本の教科書の「貿易黒字は儲け」「貿易赤字は損失」というのは悪質な嘘で、経済専門家すらこう思っている人が居ます。

貿易とサービスを合計した収支を「経常収支」や「国際収支」と言いますが、アメリカは毎年大幅な赤字です。

平均して約4000億ドル(約50兆円)前後という凄まじい金額で、日本・中国・ドイツ等から輸入して代金を払っています。



アメリカはなぜ破産しないか

ですが経常赤字が4000億ドルだと、必ず資本収支の黒字が4000億ドル発生しています。

経常収支がモノとサービスの流れに対し、資本収支は金融資産(お金)の流れと説明されています。

つまりアメリカが4000億ドル経常赤字になると、同時に4000億ドルのお金がアメリカに入ってきます。


良く「アメリカは基軸通貨のドルを無限に印刷するから赤字でも破産しない」と主張する人がいます。

だが世界の大半の国は経常赤字国で、黒字国は少ないのだが、経済力の順番に並べても、黒字国が金持ちという事はありません。

どちらかと言えば先進国のほとんどが経常赤字であり、黒字国は後進国や新興国に多いのが実態です。


このように、貿易黒字や経常黒字が「儲け」、赤字なら「損失」という考えは完全に嘘です。

経常収支と資本収支がなぜ必ず同じ金額になるのかは、非常に分かりにくいが、次のように説明できます。

資本収支は現金が増えたか減ったかを表すもので、借金をすれば現金が増えるので、資本収支はプラスになります。


言い換えると赤字になればなるほど、国の借金が増えるので現金が増え、資本収支の黒字が拡大します。

アメリカには「三つ子の赤字」という言葉があるくらいなので借金大国であり、借金=資本収支=現金を持っているのです。

逆に日本のような輸出大国は外国に金を貸しているので、金を貸す=現金が減る行為で資本収支は赤字で現金を持っていません。


またもう一つの都市伝説として、経常赤字や貿易赤字の金額はGDPから差し引かれているという物があります。

これは計算の手続きとしてそうしているだけで、経常赤字だとGDPが減るという事実はありません。

逆に経常黒字や貿易黒字でGDPが増えるという事実も無く、GDPの増減にいかなる影響も与えていません。


原油は1L10円以下だが日本が輸入した事で110円という価値が生まれている。
石油輸入が減る事は日本の利益が減った事でしかない。
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引用:http://gifuhashima.net/wp-content/uploads/2015/11/DSC06672@.jpg


輸入を減らせば経済は縮小する


アメリカが万年赤字でも痛くも痒くも無い、逆に日本が過去最高の黒字を更新しても「1円も儲かっていない」のは説明しました。

でも実際に外国から輸入して代金を払ったら、日本人は損をするように感じると思います。

牛丼でも自動車でも、原材料を輸入して国内で販売する訳ですが、原材料の少なくとも数倍の価格で販売しています。


牛肉を日本が輸入する価格は100gあたり10円か20円で、それを牛丼屋は300円から400円で販売します。

自動車用の金属や石油は1台分で10万円以下として、10倍から数十倍の価格で販売します。

モノを輸入するという事は、輸入価格より遥かに高値で国内販売するので、国内で新たな価値が生まれます。


アメリカも輸入すればするほど国内で新しい価値が生まれ、どんどんGDPが増えて行きました。

もちろん輸入せずに国内生産した方が良いが、輸入したほうが安かったり品質が良いなど、何らかの事情があります。

例えばトヨタをはじめアメリカには日本の自動車工場が立ち並び、日本車のシェアは40%に達しているそうです。


そうした自動車工場では権利料金その他で、トヨタなどに売上の30%もの支払いをしているそうです。

トヨタは受け取ったお金の殆どをアメリカで再投資しますが、いくらかは日本に送金しています。

これはアメリカの経常赤字になりますが、先ほど書いたように損も得もしませんから、車が売れた分だけアメリカのGDPは増えます。


アメリカとしては経済を拡大する事が重要で、本音を言えば貿易赤字などどうでも良いと考えているのです。

せいぜい日本に輸出して食肉業者の利益を増やして政治献金を得たいとか、そんなレベルの話に過ぎません。

アメリカが万年赤字なのに成長を続け、日本は黒字を続けているのに、経済は20年もどん底状態です。


輸入が増えれば経済が拡大するなら良い、というアメリカ式経済運営の方が理論でも正しいし、現実でも成功しています。

国内産業の打撃を防ぐとして多くの国は輸入規制をしているが、あれも実際にはGDPを縮小させる効果しか無いです。

ある調査では現在地球上で走っている自動車の4割が日本車だそうですが、いくら輸出しても日本は貧しくなるばかりというのが現実です。

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