共産主義は最大限の生産をするシステムで、減産はできないようになっている
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引用:http://img.recordchina.co.jp/thumbs/m720/201609/20160920-06260670.jpg


日中韓造船業の苦戦振り

かつて日中韓が造船大国世界一の座をかけて争っていたが、この1年で様相が激変しています。

2016年9月に韓国最大のの韓進(ハンジン)海運が経営破たんし、海運業の苦境が表面化しました。

2016年にジェトロが発表した世界貿易統計では、2015年の貿易額は12.7%減の16兆ドルでした。
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2016年の世界貿易はまだ出ていないものの、中国の貿易総額が6.8%減、アメリカも4%減(推定)、日本は11%減などとなっている。

世界経済の悪化を背景に貿易額が減少している上に、物の貿易が減少しサービスの割合が増えている。

石油や自動車は減少し、ソフトウェアやアニメなど輸送する必要がない商品の取引金額が増加した。


韓国の造船業はサムスン、大宇、ヒュンダイの「御三家」が安い人件費を背景に日本から受注を奪ったが、今では倒産や合併が囁かれている。

国家破綻して通貨のウォンが暴落したのを良い事に、低価格を武器に1999年から日本を受注額で上回っていました。

だが2016年末の受注残高は日本は2006万4千トン(835隻)、韓国1989万トン(473隻)で日本が上回りました。


受注残高は受注したがまだ引き渡していない数で、今後の業績を予想でき、2017年以降は日本の総受注数が韓国を上回る可能性が高い。

2016年の総受注数は中国351万3千トン、韓国157万2千トン、日本111万5千トンという順位になった。

だが世界一の順位競争より重要なのは3カ国の大手造船企業がどれも赤字経営な事で、大赤字を出して世界一を取っても意味がない。



共産主義の造船所とは

韓国は3位の大宇造船が倒産寸前、ヒュンダイは親会社の現代グループは既に存在せず、支援を受けられない。

サムスンもスマホの出火騒動などで今後の情勢が厳しくなると予想され、造船部門は赤字経営を続けています。

韓国の造船会社は経費削減のためにリストラや設備縮小、賃金の未払いなどを行っていて、韓国の雇用悪化に一役買っている。


その韓国を倒して世界一になった中国の造船業だが、他の産業と同じく過剰設備、過剰生産、過剰輸出で市場を崩壊させました。

共産主義制度では「増産」だけが評価され「減産」するとマイナスどころか犯罪行為で、工場長が共産党に無断で減産したら逮捕されます。

北朝鮮の工場を連想すると分かるが、増産は表彰され減産は処罰されるので、何でも最大限過剰生産します。


この国家体制は世界大戦の時には機能し、ソ連はドイツを物量で圧倒したが、増やしたものを減産する制度は存在しないのです。

だから中国は必ず船でも鉄鋼でも自動車でも何でも、限界まで生産して市場が崩壊し、工場が破綻するまで増産し続けます。

レアアースは今でも中国が世界の9割を生産しているのに、減産ができないので密輸品が世界に溢れて価格が暴落したままです。


中国の大手造船所は全て国営か元国営、あるいは共産党が経営に関与する準国営企業になっています。

他に小さい造船所が無数に存在し、過剰生産の原因になっていて、政府は生産調整を奨励している。

2015年のピーク時から生産能力を半減させる予定だが、実現してもまだ生産能力が余りまくっています。



日本の造船業は大再編を避けられず


韓国や中国の造船業が苦戦し日本が安泰とは行かず、三菱重工は客船で巨額赤字、川崎は撤退を模索しています。

日本の造船業の顧客は70%以上が国内向けなので、これ以上中韓に市場を奪われることは無いが、世界経済や世界貿易の縮小はどうしようもない。

三菱重工は旅客機やプラントやロケットなど造船以外の分野で過去最高益を出したが、造船部門を他社と再編成する計画を建てている。


川崎重工も造船以外で黒字にしたものの「荷物」を下ろしたいようで、事業撤退を検討していると報道されました。

今治造船、JMU(旧 IHI)、三井造船、日立造船、佐世保重工業など戦前からの造船所が乱立しているが、いかにも数が多く非効率に思えます。

日本の造船業がほぼ国内向けになった以上、こんなに多くの造船会社は必要なくなり、大手数社に収斂していくでしょう。


身の丈に合ったコンパクトな体制にしたほうが、中韓との競争にも有利だと考えられます。

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