膨大な経常黒字が円高を引き起こし、円高が日本経済を低迷させた。
同じ事を続ける限り、同じ結果になる。
dollar1
引用:http://kabuzen.com/keizai/gazou/dollar1.gif



市場は日本経済楽観論が復活

2017年の日本経済の予想は良いのか悪いのかはっきりしないが、安倍首相の訪米で楽観論が息を吹き返した。

2016年末まではトランプ相場で強気予想が多く「1ドル130円台で日経は2万4千円だ」という声が多く聞かれました。

年が明けると新大統領の過激政策が嫌気されて悲観論が主流になり、「1ドル90円で日経は1万円割れ」という人が出てきた。
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2つの極端な見方を比べて分かるのは、相変わらず日本経済はドル円相場次第で、自律性が無いという点でしょう。

日本政府の経済政策はドル円レートを円安に維持するだけで、金融緩和もこの為だけに行っていると言っても良い。

ドル円が円安だと、ドル建てで日経平均を同じ水準に保とうとする為替圧力が加わり、円建てで株価が上昇します。


だがこれは見た目の錯覚で、ドルを基準に考えれば日経平均は上がっていないのです。

逆に円高になるとやはりドル建てで同じ水準に保つ力が働いて、円建てでは日経平均が下がります。

加えて円安では輸出産業の業績が上がり、円建てでは下がるので、より誇張した形で日経平均は上下します。


つまり2012年12月の安倍首相就任以来日本の株価が上昇した理由のほとんどは円安で、経済が良くなった訳ではない。

円安と円高には一定周期があるのが分かっていて、6年とか10年で次の円高や円安がやってきます。

円安になると貿易黒字と経常黒字が毎年10兆円以上蓄積され、溜まった黒字はいつか円に交換されて円高を引き起こすからです。



経済危機のパラドックス

これを防止するため日本政府は様々な名目で円をドルに交換する「裏介入」を年間10兆円程度やっているが、アメリカからは為替操作と言われている。

円安、円高はダムの水に似ていて、円安で利益(水量)を溜め込んでいると、いずれ増えすぎた水でダムが決壊するか、放出しなくてはなりません。

前回の円高は2011年、円安のピークは2014年の125円だったので、そろそろ円安のピークは終わる時期に当たっています。


円安サイクルを8年とすると、2011年円高、2014年円安、次の円高は2018年から2020年という予測が成り立ちます。

ただしこうした周期は数年ずれるのが通常で、過去の円高でも正確に8年にはなっていません。

いわゆる経済評論家やシンクタンクなどの経済予想はこうした循環ではなく、目先の経済統計を判断材料にしています。


トランプの経済政策で円安が維持されそうだというのが最大の材料で、中国や欧米経済も2016年よりは回復しつつあります。

ただ残念なのはエコノミストの予想は現実の経済統計や経済政策に基づいているので、必ず後手を踏んでしまいます。

英EU離脱でもトランプ相場でも、エコノミストは目先のデータを後追いしただけで、何一つ予想できませんでした。


米FRBは今年複数回の利上げを宣言していますが、当然のように「米利上げだから円安になり、日本経済にプラス」と判断されています。

だが実際には過去にアメリカが利上げしたときには、必ずしも円安になっていないし、世界恐慌や経済危機のきっかけになった事も多かった。

経済予想には一つのパラドックスがあり「危機は予想できない」から危機なのであり、予想できたら危機に発展しません。


つまりエコノミストや投資機関が見事に経済危機を的中させたら、それは「予想の範囲内」になり危機に発展せず外れるのです。

反対に「危機は起きない」という予想をして、それが外れて初めて危機に発展するので、誰も経済危機を予測出来ません。

「日本経済が破綻する」という予測がもし的中したら、予測の範囲内になり大した危機には発展しないのです。


経済危機は必ず楽観の中で生まれ、誰も予測していないときに発生するという法則性があります。

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